あとちの会 第3回セミナー 会場からの発言要旨
2008年03月30日
司会:井上嚇郎
ゲストスピーカー
坂手洋二さん(日本劇作家協会会長)
僕の演劇は、スズナリで出発したようなもの。梅が丘に事務所があるが、梅が丘では、あれよあれよという間に、高架下が、なにがなんだかわからないようになってしまった。後から話に行ったが埒はあかなかった。下北沢では、こうはならないようにこのように、「あとちの会」ができてくるのはいいことだろう。まちに個性がある。海外からのお客さんもシモキタの面白さを知っている。
ニューヨークには、セントラルパークがあるように、そんな緑の公園が、さすがシモキタと思ってもらえるような姿でできてくるといいなと思う。演劇のテントを建てられるところが全然ないので、そういう場所ができるとありがたい。テントを建てるもよし、火を使もよしという場所もできるのではないか。どうやったら、活動を継続できるか。僕としては前向きに続けていきたいという思いを、ご挨拶にさせていただきたい。
流山児祥さん(日本演出家協会会長)
下北沢のスーパーマーケットが原点。寺山修司さんの最後の作品を本多劇場でやった。ずっと、下北沢でつながっている。街の中を使ったりして、お芝居をやってきた。寺山さんの演劇を街でやったこともある。電車の中でもやっていたこともある。東北沢と渋谷と下北沢で同時進行に始めて、それが、下北沢に集まってくるというような形の劇をやったこともある。
次の世代にも、演劇の街としてつなげていくために、稽古場が理想としてはあるといいなと。野外劇場やテントを使うような場所もあるとよい。2キロ全部をあれこれ使って、世界に誇る下北沢演劇祭というのをやれるようになったらすごい。カナダのヴィクトリアでは、10日間、200箇所で演劇をやっているような演劇祭がある。将来的には、「下北沢国際演劇祭」をやったらどうだろうか。国際的な演劇の街になることができるチャンスかもしれない。
参加者の発言
代田5丁目在住の方
一番困っているのは、道が狭くてシモキタに来る車が多い。学童通学路になっているので右折禁止。本来は、車は入って来れないはずだが、じゃんじゃんくる。世田谷代田から、エグザスの前の道まで、ぜひ、車を通らないようにしてほしい。
現在の作業所は、いい駐車場になるのではないか。下が車を通るようにして、上は駐車場ということにしたらどうだろうか。演劇は、シモキタ〜東北沢間でやってみたらどうか。
北沢4丁目在住の方
戦前から住んでいる。集団疎開にも行ったがこちらに帰ってきた。いくつか要望を出したい。小田急に対する要望。北側にも地上への出口をつくってほしい。今のプランを見ると、それは入っていない。ホームに扉をつけてほしい。まちづくり課に要望を出すとワンマンカーだから、ホームのドアをつけているが、こちらは無理と言われる。丸の内線ではついているので、小田急にもつくっていただきたい。
地価の高騰が心配。相続のときに、長く住んでいるものも手放さざるを得なくなる。高い建物は大きな敷地がないと出来ないと世田谷区はいうが大手ディベロッパーが入ってくればたちまちそれができてしまうのではないか。
K区議
昭和21年の石川栄曜さんがつくった復興計画のときには、緑地が計画されていた。いつの間にかそれが立ち消えになった。緑を基本にやるべきだと思う。道路特定財源で作られるものですから、小田急の自由になるものではない。ある程度対価を払わなければならないものですが、区の方針では1万平米しか出していないので、そのことをやったうえで色々な議論をすべきだと思います。制度的な検討でどうなるのかということを、踏まえてやったほうがいい。
平成12年12月の連続立体について調査報告があるが、それには演劇空間もかかれている。環状7号のことも再整備すると明確に書かれている。連続立交の基礎となる調査報告書にさえ書かれているので、それをもう一度跡付けながらやったらいいと思う。制度的な裏づけ、どこまで住民が声を出して可能なのかを考えながら進めていきたい。
代田小学校PTA会長
環状7号の上の問題、地下工事のために架ける橋を歩行者用に残せないかという要望がある。しかし、区は維持費がかかるので撤去するという。残すためには署名運動で頑張ってくれと区からは言われている。このあたりは、オヤジの会ネットの7校の通学路がひしめいている。狭い通りを赤堤から梅が丘に車がぬけいく、茶沢通りに抜ける車もある。
あとち利用について考えるときには、エグザス周辺の複雑なところで、どの道を車が通るのか、通してはいけないかということを考えないといけない。SAPという活動で、世田谷代田で駅前広場をどうするかをやっている。駅前のロータリーの付近は車通行の課題がある。2.2キロを緑道でつながるようにしていきたい。
北沢4丁目まちづくり会会長
落書き問題でいうと、圧倒的に芝居の方のチラシが多い。演劇の町にするのはけっこうですが、モラルが大事です。劇団員の質もだいじ。ヒューマンスケールの問題で回遊しやすいといこと。ぜひ、街を考えるときは、それを考えてください。
(あとから、演劇関係者のチラシはルールを作っているので少ないはずと坂手さんから指摘あり。流山児さんからは、広告ボードもつくったりしてもらいたい。)
司会者
演劇関係の方たちと住民の方の希望とは、共存の道を探りたいところだ。
代沢5丁目在住の方
昔はピンクサロンのビラがいっぱい張ってあった。今は、まだ、ビラの質がいいかなと。高校生の居所がない。しょうがなくて、コンビニの前にたむろする。共通の気楽にいるところがない。すべての基本として、街に来る人たち、住んでいる人たちが気楽にいることができる場所が必要。老人と子供をつなげるような場があるといいと思う。
司会者
あとちは、地下化された線路のあとちだけでなく、周りに、いろいろな敷地が確保されることになる。その権利や費用はどうなるのかはわからないが、そういう場所も含めていろいろことが考えられることが望ましいだろう
筑波大の方
下北沢は大学生のときによくきたまち。子供たちの姿がなかなか見えない。子供たちが走り回れるような環境がないのが問題じゃないかなと思う。小学校がこんなにあるということでびっくりした。これから、この街で育っていく子供たちが遊ぶ場がなかなか見つけられないので、子供たちが遊んでいる姿は、見ていてすがすがしい、心が和らぐと思うので、そのことを開発の考慮にいれていただきたい。
北沢在住で演劇関係の方
シモキタで以前は一軒家に間借りして、毎日のようにふらふらしていて、大好きな街。この計画のなかに、大好きな場所が消えてしまう。小田急の区画に入って消えてしまうので、どういう風になるのかなと興味があって、来てみた。
ヒューマンスケールという言葉も初めて聴いたが、いいことだと思う。昔、住んでいた場所は子供がたくさんいて、田んぼがあって、野花を摘んだりした。普通の社会では生きていけないような人たちも、一緒にいることができるような場が欲しい。
K国会議員
小田急線沿線在住住民の一人として意見を伺いにきました。成城では、年間13万円の費用を払って農地を借りる「アグリ成城」というのをやっているが空いている。失敗ではないかと思う。小田急は住民の声を聞いてないのではないか。
これだけのスペースはなかなかないと思うので、子供や老人、住民の憩いの場であると同時に、演劇の稽古場やテントがあってもいいでしょうし、みどりの街にすると世田谷区も言っているので、格好のモデルプランになると思う。ここで演劇フェスティバルもやるという夢もあるかもしれないし、国会でも考えていけたらと思う。
NT区議
更地になったものを道路と認定したり、公園と認定したりするなかで、道路にしか使えないとなってがっかりしないように、区の方と綿密に話し合いの機会をもっていきたい。
NZ区議
シモキタは文学関係の人たちがたくさん住んでいた。そういうこということがわかる文学者が住んでいたとプレイトなどをつくってほしいという要望があり、それを実現させようとしている。
代田在住の方
代沢通信をだしていて、読売新聞販売所で配布してもらう。SAPやSHIMOKIA VOICE、東北沢の状況も取材して紹介した。シモキタは演劇人を中心とした外から方の利用が多い。
東北沢、代田では、ばらばらに話し合いをもっているようだが、やはり、一つにつなげて考えるという計画ができるといいなと。地域の人にもやさしい、あとち利用を考えられればいいなと参加した。
北沢2丁目の商業者
シモキタは、昔から駅前市場もありましたし、独自の発展をしてきた街だと思う。昔のシモキタのよさ、今のよさ、ここから商売をやっていこうという人たちもいる。シモキタを発展していけたらいいなと。ミニ渋谷やミニ新宿にしたら、来客も少なくなるだろう。
下北沢はここにしかないという、坂手さんがおっしゃっていたように、世界に誇れるような街になっていったらいいなと思っています。
司会者
それぞれの場所で議論がありますが、あとちという場所はつながっていますので、一緒に考えていけるようでありたい。
北沢4丁目在住の方
緑か車かということになると二項対立になりがち。車なのか緑なのかと。かなり広いから、けんかしないでもやっていけるということを考えたほうがいい。シモキタの駅の方で、ずっと跡地を使って演劇をやりたいという話があったが面白いと思う。駅ががっちり出来てしまうということでなく、駅舎の部分を、あとちにどれくらいかからずに考えていけるのかということも考えられることが望ましい。かなり大きな駅舎がその部分に乗ってしまうので、一体化したかたちで考えられるといいと思う。
世田谷区松村課長
なかなか難しいことが、いろいろとあると認識。
ゲストスピーカー
蓑原敬さん
空間的には、いろいろと似た場所が世界のほかのところにもあるように思うかもしれませんが、これだけ豊かな街が、しかも安心、安全な場所として、ヒューマンスケールで残っているというのは世界にも稀なのです。2.2キロ×30メートルで、新たに空間が出現するというのは、本当にすごいことです。行政には、今、出たような意見をまとめるような機能がありません。だからこそ、こうした場で皆さんが意見を出し合って、世田谷区に届ける必要があります。そして、今後は、都とか国とか、小田急と話し合っていかなければならない。しかし、これが夢物語というのでは、ありません。いろいろと考えていけば、互いに実現させることが望ましい姿であることがわかってくることと思います。小田急電鉄とも「ウィン・ウィンゲーム」になるようにプランを作っていけることが大事です。
